私が一番確認したかったのは「社会保険」でした
【60代の転職面接】アルバイトでもここまで聞かれる。私が採用されるまでのリアルな体験談
この記事の要約
60代になると転職活動は想像以上に厳しくなります。
「年齢だけで不採用になるのではないか…」
そんな不安を抱えながら、私は人生で初めて”転職活動としてのアルバイト面接”を受けました。
実際の面接ではどんな質問をされたのか。
企業は何を見ていたのか。
そして、登録販売者資格に思わぬ落とし穴があることも知りました。
この記事では、60代で転職を目指す方の参考になるよう、私が体験した面接の流れをそのままお伝えします。
60代で初めて「転職活動」としてアルバイト面接を受ける
この面接で、私は改めて**「年齢」という現実**と向き合うことになります。
これまでアルバイトの面接は数え切れないほど受けてきました。
学生時代もありましたし、副業として働いたこともあります。
しかし、今回の面接は今までとはまったく意味が違いました。
60代で生活のために受ける転職活動としてのアルバイト面接。
これは私にとって初めての経験だったのです。
なぜ正社員ではなく、パート・アルバイトを選んだのか
私は社会人になってからずっと正社員として働いてきました。
8時間勤務。
週5日、時には週6日。
シフト勤務であっても、それが当たり前。
「仕事とはそういうものだ」
そう信じて疑うこともありませんでした。
しかし、宮崎へ移住してから経験した職場で、その考え方は大きく変わります。
会社というより”その場に人がいること”が求められるような環境。
自分で考えて動く必要はなく、「言われたことだけをしていればいい」。
ところが責任だけは社員として背負わなければならない。
現場ではさまざまな出来事が起こります。
本来なら状況を見て判断しなければならない場面でも、「考えなくていい」と言われ続けると、人は判断する力まで失ってしまいます。
私はそこに強い違和感を覚えました。
この働き方を続けるくらいなら、責任の範囲が明確なパート・アルバイトとして働くほうが、精神的にも健全なのではないか。
そう真剣に考えるようになったのです。
だから今回、私は正社員ではなく、パート・アルバイトという働き方を選びました。
これは妥協ではありません。
これからの人生を、自分らしく働くための選択でした。
いよいよ面接当日

指定された日時に店舗へ向かいました。
面接は店舗のバックヤードで行われます。
面接官は店長さんと店舗責任者のお二人。
お二人とも40代くらいでしょうか。
忙しい中でも時間を作ってくださり、とても丁寧な対応でした。
席に着くと、
「本日は10分ほどお時間をいただきます。」
そう一言添えられ、面接が始まりました。
私は心の中で、
「いよいよ始まった……。」
と、自分でも驚くほど緊張していました。
最初の質問は「あなたの強みと改善したい点を教えてください」

いきなりこの質問が飛んできました。
正直、一瞬戸惑いました。
私は店長さんの質問に答えながら、隣に座る店舗責任者の方が私の表情や受け答えをじっと見ていることに気づきました。
「ああ、この会社は回答の内容だけではなく、人柄や話し方も見ているんだな。」
そう理解した私は、落ち着いて答えることにしました。
「これまで経験してきた仕事や、登録販売者としての実務経験は御社でも役に立てると考えています。
改善したい点は、関西人なので少し話し過ぎてしまうところです。もう少し聞き役になることを心掛けたいと思っています。」
模範解答ではなかったかもしれません。
それでも、背伸びをせず、自分らしく答えることを意識しました。
実際の面接で聞かれた質問
退職理由は想像以上に詳しく聞かれた
最初の質問が終わると、次は前職と前々職の退職理由について聞かれました。
「なぜ会社を辞めたのですか?」
転職活動では定番の質問ですが、ドラッグストア業界では特に重要な質問なのだと感じました。
後で考えると、この業界は離職率が比較的高いと言われています。
そのため企業としては、「この人は長く働いてくれるだろうか」という点を慎重に見極めているのでしょう。
私は、以前働いていた行政施設と物産館について正直にお話ししました。
「行政施設では支配人、物産館では販売責任者のような仕事を任せていただいていました。
どちらも組織の体制が変わるタイミングで、自分の役割は一区切りついたと判断し退職しました。」
できるだけ事実をそのまま伝えました。
「人間関係で辞めた」「会社と揉めた」という印象だけは持たれないように意識して答えたことを覚えています。
仕事内容は経験をそのまま伝えた
続いて聞かれたのは、前職や前々職でどのような仕事をしてきたのかという質問でした。
ここは特に飾ることなく、実際に担当していた仕事をそのまま説明しました。
売場づくり、接客、販売、スタッフ管理、商品管理など、これまで経験してきたことはドラッグストアでも活かせる内容ばかりです。
無理に話を大きくする必要はありません。
経験してきたことを自分の言葉で伝えることが、一番のアピールになると感じました。
勤務条件の説明を受ける
質問が終わると、今度は会社側から勤務条件について説明がありました。
募集している店舗の仕事内容。
勤務時間。
シフト。
休日。
そして、その条件で働けるかどうかの確認です。
私の場合は、
午前勤務・月20日前後の出勤
という条件でした。
私自身、その条件で応募していたので問題なく了承しました。
ここまでは、とても順調に進んでいました。
ところが、この後に思いもよらない話を聞くことになります。
登録販売者資格には思わぬ落とし穴があった
私は応募の時点で、
・登録販売者資格
・販売従事登録
・管理者要件を満たしていた実務経験
があることを伝えていました。
そのため当然、資格手当も対象になると思っていたのです。
しかし、店長さんからこんな説明を受けました。
「現在は5年以上実務から離れている場合、管理者要件を失っていますので、今回は見習いからのスタートになります。」
正直、この制度は知りませんでした。
「えっ、そうなの?」
頭の中が一瞬真っ白になりました。

時給にも大きく影響する制度だった
さらに説明は続きます。
この会社では登録販売者の資格手当が時給に反映されていました。
管理者要件を満たしている登録販売者は、
時給プラス130円。
一方で見習い登録販売者は、
時給プラス50円。
その差は時給80円。
1か月、1年と積み重なると決して小さな金額ではありません。
「資格があるから少しでも収入が増える。」
そう考えていた私にとっては、大きな誤算でした。
その瞬間、頭に浮かんだのは奥さんの顔でした。
「期待させてしまったかな……。」
そんな気持ちになったことを今でも覚えています。
登録販売者資格をお持ちの方へ
ここは私自身が知らなかったことなので、同じような方の参考になればと思います。
長期間実務から離れている場合は、管理者要件を満たさなくなることがあります。
私が説明を受けた内容では、
・再び一定期間の実務経験を積むこと
または
・1年以上(月80時間以上)の実務経験と所定の研修を受けること
などによって、再び管理者要件を満たせるとのことでした。
※制度や運用は変更される場合があります。また企業によって取り扱いが異なることもありますので、応募先で確認されることをおすすめします。
このことを知らずに転職活動をすると、私のように「思っていた条件と違った」ということにもなりかねません。
これから登録販売者として再就職を考えている方は、一度確認しておくと安心だと思います。
一通り会社からの説明が終わると、面接官から最後にこう聞かれました。
「何かご質問はございますか?」
私は迷わず、一番気になっていたことを質問しました。
「1日4.5時間勤務で、月20日程度の出勤でも社会保険に加入できますか?」
実は、この質問が私にとっては一番重要だったのです。
2月末で会社を退職すると、3月からは国民健康保険への加入が必要になります。
しかし、そのまま国民健康保険に加入し続けると、前年まで正社員として働いていた所得をもとに保険料が計算されるため、家計への負担が非常に大きくなってしまいます。
そのため、今回の転職では社会保険に加入できることが最低条件でした。
面接官から返ってきた答えは、
「はい、加入できます。社会保険をはじめ、必要な保険には加入していただきます。」
その一言を聞いた瞬間、肩の力がふっと抜けました。
「よかった…。」
ようやく一つ、大きな不安が解消されたのです。
頭の中で生活費を計算してみた
安心したのも束の間、今度は頭の中で生活費の計算が始まりました。
4.5時間勤務。
月20日。
時給1,080円。
計算すると月収は約97,000円。
ここから社会保険料などが引かれると、手取りは8〜9万円ほどでしょうか。
思わず心の中で、
「これだけでは生活できないな…。」
と苦笑いしてしまいました。
もちろん、その場でそんなことを口にすることはありません。
勤務時間やシフトは、仕事を覚えたり職場に慣れたりする中で変わる可能性もあります。
まずは採用していただき、しっかり仕事を覚えること。
それが今の自分にできる最優先だと考えました。
大手企業らしいと感じた確認事項
最後に、自家用車で通勤する場合の説明がありました。
任意保険は、
・対人無制限
・対物1,000万円以上
に加入しているか。
さらに、車検の有効期限についても確認がありました。
交通費の支給についても会社の規定に沿って丁寧に説明してくださいました。
細かなところまで確認する姿勢に、「やはり大手企業はしっかりしているな」と感じたことを覚えています。
面接を終えて感じたこと
こうして面接は終了しました。
最後に面接官から、
「採用の場合は3日以内にお電話いたします。ご連絡がない場合は、今回はご縁がなかったということでご了承ください。」
と説明を受け、店舗をあとにしました。
帰り道、ふと思ったことがあります。
「あれ…。」
年齢の話が一度も出なかった。
私は60代という年齢ばかりを気にしていました。
しかし、この会社は年齢ではなく、経験や人柄、受け答えを見てくれていたように感じたのです。
それだけでも、この会社の面接を受けて本当に良かったと思えました。
そして正直に言うと、ここまでアルバイトの面接で緊張したのは人生で初めてでした。
面接が終わった瞬間、どっと疲れが出て思わず笑ってしまいました。
採用の電話
「よほど受け答えに問題がなければ大丈夫だろう。」
そう思いながらも、電話を待つ時間はとても長く感じました。
妻からは、
「2日目までに連絡がなければ難しいかもしれないね。」
と言われました。
私もその言葉に妙に納得しながら、落ち着かない時間を過ごしていました。
そして2日目のお昼過ぎ。
携帯電話が鳴りました。
画面を見ると、応募した店舗からです。
「この度、採用とさせていただきます。
初出勤の日程と、初日に持参していただくものをご案内いたします。」
店長さんのその言葉を聞いた瞬間、胸の中の重たいものが一気になくなりました。
「ありがとうございます。
よろしくお願いいたします。」
何度お礼を言ったか覚えていません。
自分では「たかがアルバイト」とどこかで思っていたのかもしれません。
でも、年齢を理由に何度も壁を感じてきた私にとって、この一本の電話は、それ以上の意味がありました。
本当にうれしかったのです。

60代の転職活動で気づいたこと
今回の面接を通して、改めて感じたことがあります。
それは、
年齢だけで判断する会社ばかりではない。
ということです。
もちろん、60代の転職は簡単ではありません。
若い頃のように応募すれば採用されるというものではなくなります。
それでも、自分の経験を必要としてくれる会社は必ずあります。
大切なのは、年齢を言い訳にして諦めることではなく、自分に合った職場を探し続けることなのだと思います。
今回の採用は、私にそのことを教えてくれました。
あとがき

話は少し変わりますが、このブログのトップページには2匹のミニチュアシュナウザーが写っています。
母犬のMammyと、その娘のObby(オビィ)です。
私がブログを書いている間、この子たちは「遊んでほしいな」という顔をしながら、隣で静かに待っています。
そんな姿を見るたびに、「もう少し頑張ろう」という気持ちになります。
仕事も、ブログも、新しい挑戦も、決して自分一人のためだけではありません。
家族がいて、この子たちがいて、応援してくださる読者の皆さんがいる。
だから私は、これからも一歩ずつ前へ進んでいこうと思います。
60代からの人生は、決して「終わり」ではありません。
私自身、この転職を通して、そのことを改めて実感しています。

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